【高還元派遣】リツアンのデメリットについて語る【低マージン】
突然ですが「リツアンSTC」という会社をご存じでしょうか?
この会社は、人材派遣会社なのですがピンハネをしない業界No.1給与水準の会社と宣伝をしています。
最近では、大手Webメディアである「ねとらぼ」にも記事を出しており、ツイッター等での評判を見てみるとこの会社に対して好意的な意見がほとんどでした。
一般的に派遣会社っていうのは「悪」そのものであり、ピンハネしているっていうイメージしかないんだなっていうのを改めて認識しました。(あながち間違ってないですが)
僕は、このリツアンの存在自体は1年ほど前から知っており、当時色々と調べていましたし実は面接に行ったこともあります。
その時の思いとしては、リツアンってマージン率低いから給料も高いし、派遣会社に出す週報もないし、レクリエーションも無いしこの会社最高じゃん!って感じでした。
転職サイトとかで評判調べてみてもみんな給与上がって幸せそうだし、他の派遣会社はピンハネブラック企業だ!ぐらいの思想になっていました。
だけど冷静になってよく考えてみると「マージン率が低い=給与が高い(※同じ単価で比べた場合)」という式は成り立ちますが、「マージン率が低い=良い会社」ということにはならない事に気付きました。
そしてそれに気付かずにリツアンに入ろうって考える僕みたいな人も少なくないのかなと。
ということで今日は、派遣会社「リツアン」のデメリットについても語っていきたいと思います。(メリットは、探せばいくらでも出てくるので割愛)
リツアンの社員ではない僕が書く事により、本当のデメリットが書くことができるのではないかなと思っています。
- 福利厚生が弱い
- 研修が無い
- 待機期間中の不安について
- 案件に対する不安について
- 案件が少ない
- 社会情勢によって倒産する危険性が高い
- 内定の考え方が違う
- マージンが低いからと言って年収が上がるとは限らない
- 紹介手当制度どうなの?
- 最後に
福利厚生が弱い
リツアンの福利厚生は、派遣会社として一般的なものは一通り揃ってはいます。(通勤手当、残業手当、社会保険等)
ですが、住宅手当、退職金、財形貯蓄、家族手当、持ち株会制度、保養所等は一切ありません。
まあ、当然なんですけどね。そこを全部取っ払って給与に回しているので。
財形貯蓄や退職金が無いということはしっかりと全部自分でお金を管理しないといけないということなので気をつけましょう。
研修が無い
研修制度が一切ありません。
研修がしっかりしている派遣会社だとIT技術の研修はもちろんのことビジネスマナー研修、コンプライアンス研修、リーダー研修等の様々な研修を受けることができます。
こういう研修を普通にスクールとか行って受けると何十万とかかったりしますが、それをいざ自分で払うかって言われたら払いたくないですよね。
あと会社でやってくれてるからせっかくだし利用しようっていう人もいるかと思いますが、そういう人向きの会社ではないですね。
給与に還元してくれている分そこは自分でスキルアップを目指さなければなりません。
待機期間中の不安について
特定派遣の社員には「待機期間」と呼ばれるものが存在します。(業界用語かも)
簡単に説明すると例えばあなたがリツアンに内定を貰い3月1日から無職だとして派遣先を探してもらうとします。
そして派遣先が決まったはいいものの4月1日から来てほしいと言ってきた場合3月中は仕事ができませんよね?
当然その間は待機して時が経つのを待たなければいけません。それが「待機期間」と呼ばれるものです。
で、肝心なのはそこの「待機期間中」のお給料についてです。
普通にマージンを取っている会社であれば待機期間中でも給与が全額もしくは一部出たりするので、生活は普通にできます。
でも、ここまでマージン率が低いと待機中の給与についてはどうなっているのだろうか不思議に思います。
なので、入社前にここは必ず聞いておいたほうが良いと思います。
案件に対する不安について
事実として知っておいたほうが良いのが「派遣先は派遣会社を見て取るかどうかを判断する場合がある」ということです。
要は派遣元の会社規模が大きかったり、良い人材を派遣してくれた実績が多くある会社からしか取らないケースがあるということです。
また仮にそうでなかったとしても「一部上場していてフォロー体制が整っている派遣会社」と「リツアン」の両方が派遣先に営業をかけたとします。
しかし募集している人は1人だけですという場合に相手側が「リツアン」を選ぶメリットって何かありますか?
上司に派遣会社を決めた決め手を聞かれて「リツアン」を選んだ理由をスムーズに説明ができますか?
逆に一部上場していてフォロー体制が整っている会社であれば「一部上場してて信用もできますし、フォロー体制が整っているみたいなので」って説明で納得もしてもらえますよね。
なのでマージン率が高くても良い会社に派遣されたいと思う人は、そちらに行くべきだと思います。
案件が少ない
低マージンを実現するために営業の数を抑えているため、どうしても案件の数が少なくなります。
これの何が駄目かっていうと特定派遣って色々な現場に行ってスキルを身に着ける事が出来るのが一つのメリットだと思ってるんですけど、案件の数が少ないとそういうことが難しくなってきますよね。
反論として営業の人が好きな案件持ってきてくれるよと言うかもしれませんが、営業の人がやりたいことを持って来てくれると言っても限界があると思います。
営業が少ないんだから尚更です。一人だけに構ってられないんですよね。
僕は高マージンの派遣会社にいましたが案件はめちゃくちゃ豊富にありました。営業も物凄い数がいるので。
お金を稼ぐという事が目的なのであれば良いかもしれませんが、現場異動でのスキルアップを目指しているというのであればリツアンは選択肢にあまり入ってこないのではないかと思います。
社会情勢によって倒産する危険性が高い
低マージン企業は、お金をほぼエンジニアに還元している為、不景気で待機者が出た時に倒産しかねません。
というのも基本的に毎月の利益率が低いので、内部保留を溜め込む事ができないからです。
現在の状況的には、稼働率が高いようなので倒産するような危険性は無いと思いますが、リーマンショック級の出来事が起こった際に急に無職になりかねません。
そしてリーマンショック級の時に切られる会社は体力が無い会社、有名ではない会社だと思います。
メイテックなどの有名派遣会社では、これまでの付き合いも、これからの付き合いもあるので簡単に切るって事はできないかと思われますが、リツアンのような企業だと切られる可能性も高いでしょう。
内定の考え方が違う
普通の派遣会社の場合は、だいたい内定が出るとそっから○○月○○日に入社手続きをしてそこから案件を探しましょうって形になります。もちろん案件を探している間の自宅待機中は給与が出ますし、顔合わせ時の交通費も出る形です。
リツアンの場合は、まず案件を探して顔合わせを入れてそれで相手先からオッケーが出たら無事内定でそこから入社手続きという形です。
この顔合わせと自宅待機中は、リツアンの社員ではない(籍を入れていない)ので、給与も交通費も出ません。リツアンの言い分としては、あくまで顔合わせは「転職活動」として捉えているようです。
マージンが低いからと言って年収が上がるとは限らない
リツアンの社員の方々が口を揃えてツイッターで言ってるのが「マージン率が低いから給与が高い」です。
これはある意味正解で、ある意味間違いです。
というのも給与を高く貰うためにはマージン率が低いのって重要な一つの要素ではありますが、それよりも大事なのが派遣先の単価です。
どういうことかというと以下の例を見てみましょう。
(リツアンを仮に単価の0.67倍掛けとして計算)
■リツアン
派遣単価80万×0.68倍=月給544,000円
■他派遣会社
派遣単価90万×0.61倍=月給549,000円
単価に差が出るとマージン率が低かったとしても月給で負けます。
マージン率が低いと嬉しい理由って給料が高くなるからですよね?
でもこのケースだとマージン率が低かったとしてもあなたの月給は下がります。
メイテックのような大きいちゃんとした派遣会社は単価も高く、入ってからも単価が上がりやすいです。ちゃんと交渉してくれるので。
有名な派遣会社は、マージン率は高いかもしれませんが、実はその他の見えないところで利益が返ってきてたりします。
特に大きい派遣会社からしか取らないみたいな派遣先もあるので結局リツアンに移籍しても給与が上がらないケースもありえます。
あと、よく考えてみて下さい。
他の派遣会社と同じ現場に入れて単純に給与が上がるのであればみんなメイテックとかの有名派遣企業から移籍すると思いませんか。
紹介手当制度どうなの?
リツアンには紹介手当制度があります。これって紹介された人が入社し、稼働し続けている限り紹介者に5,000円が入り続けるというものです。
制度自体は良いなと思う反面、申し訳ないんですけどネズミ講に近いものを感じるんですよね。完全に感情論ですが。
結局リツアンってマージン率が低いだけでデメリットって思いつく限り結構あるんですよね。
でも、紹介してお金貰いたい人達ってデメリットってあんまり言わない訳じゃないですか。
Twitterで社員のツイート見てればわかると思うんですが、リツアンのデメリットを言ってる人って少ないんですよ。
言ってたとしても僕の記事のようにクリティカルなことを言ってるのって見たことないです。(もしあったらすみません)
だから別にリツアンの社員の方に実際のことを聞くのはいいんですけど参考ぐらいに留めておいて、ちゃんと自分で調べ、考えて、納得した上で入社したほうがいいです。
都合が良い事言って入社させる人も中には少なからずいると思いますから。
最後に
リツアンは、特定派遣というよりもフリーランスに近い働き方の会社だと認識をしておいたほうがいいです。
なので、最低限上記で上げたデメリットをちゃんと理解した上で入社するのであればリツアンはとても良い会社だと僕は思います!
勘違いしてほしくないのは、決してリツアンが嫌いだとかそういうことではないってことです。むしろエンジニアにお金を還元するという姿勢は好感がもてます。
でも、何の考えもなしにマージン率が低いってだけでリツアンに入る人が増えるとその人自身もリツアンも不幸になると思い、今回記事を書かせていだきました。
マージン率が高い=エンジニアから搾取してるっていう一方向の考え方は危険です。
実際問題エンジニアから搾取だけして全く還元してないって会社も多くあるのは事実なんですけどね。
そういう会社に釘を刺すという意味でもリツアンには頑張っていってほしいとは思います。